薬剤師

透析医療と患者の現状

本記事は日本有数の透析施設の門前薬局に勤務する薬剤師の方による寄稿です。

我が国の慢性透析患者は2010年には297126人となりました。年々増加はしていますが、その増加速度は緩まってきています。それでも2010年の透析導入患者は37532人となり、患者数は2025年頃まで増加の一途を辿ると予想されています。

透析導入の原疾患の第1位は、以前は慢性糸球体腎炎でしたが、1998年にその座が入れ替わり現在は糖尿病性腎症となっています。その割合は43.5%にも上ります。

透析治療は昼間血液透析(82.5%)、夜間血液透析(14.1%)、在宅血液透析(0.1%)、腹膜透析(3.3%)と大きく4つに分けられます。割合をご覧いただいて分かるように、ほとんどが昼間もしくは夜間の血液透析です。それらの患者さんは週3回、4~5時間かけて病院内の透析施設で血液透析を受けます。(腎機能の状態によっては週2回などの場合もあります)そのことからも透析患者さんが日常生活をどれほど制限されているのかわかりますが、他にも水分制限、食事においては塩分、カリウム、リン、タンパク質など多くの制限があります。

急性腎不全でない限り、一度失った腎臓の機能は二度と回復しません。(腎移植を受けた場合は除きます)透析患者さん達は、その生活の制限を一生受け続けることになるのです。

透析患者の合併症には二次性副甲状腺機能亢進症、腎性貧血など多くがありますが、あまり知られにくいもので全身の痒みがあります。その原因は微量元素の異常や活性酸素の皮膚での増加などがありますがはっきりとは解明されていません。

抗ヒスタミン薬では改善しないことが多く、レミッチに代表されるナルフラフィン塩酸塩(適応:血液透析患者におけるそう痒症の改善)は画期的な薬ですが、それでも改善しない場合もあります。全身の痒みは、自覚症状のある合併症の中で大きな苦痛となっています。

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