薬剤師

服薬指導実践編3 (小児用坐薬)

本記事は院内薬局や調剤薬局で長くキャリアを積まれた薬剤師の方による寄稿です。

子供が発熱した時などによく処方される坐薬ですが、意外と使用法を熟知していない親御さんが多いようです。

まず、坐薬は冷蔵庫で保管しますが、冷蔵庫から取り出した直後だと冷たいので使う前に坐薬を少し手であたためましょう。そしてそのままだと挿入しづらいので水やオリーブオイル、ベビーオイルなどで先端(尖った方)を濡らして滑りをよくしてから肛門に挿入するとよいでしょう。

一般的に坐薬を持った指の第二関節くらいまで押し込むのがよいとされていますが、抵抗がある場合は、肛門の周りの皮膚を揉みこむようにして奥まで押し込むとよいです。挿入後、ふんばって坐薬が肛門から外に出てしまうケース、また大便と一緒に坐薬も出してしまうケースがあります。入れた後すぐ出てしまい、坐薬の形が丸ごと残っている場合はそのまま再度出てきた坐薬(もしくは新しい坐薬)を挿入しなおすようにします。

しばらく経ってから出てきた場合は入れ直さずにそのまま子供の様子を見るようにします。しばらくしても症状の改善が見られない場合は薬が十分に吸収されていなかったことになりますので、追加投与を検討します。坐薬が肛門から出てしまう事態を避けるため、坐薬を入れた後は坐薬が溶けるまで最低5分、できれば10分くらい大人がお尻を押さえてあげるとよいでしょう。

体重や年齢により、1/2個使用の指示が出ることがあります。その時は坐薬を縦長に置き、包丁またはハサミで斜めに切って使用するように指導しましょう。また先が尖った挿入部分がある方を使用し、衛生上の問題から残りは廃棄するように伝えましょう。2/3個使用の場合なども同様です。

また次の坐薬の使用の際の目安になるように、坐薬を使用した時刻と体温の変化をメモしておくように指導し、その坐薬を使う目安、間隔などを合わせて指導しましょう。ここで小児によく処方される坐薬の使用法についておさらいしておきましょう。

アンヒバ坐剤などのアセトアミノフェン坐剤は投与間隔を4~6時間以上空け、38,5℃を目安に投与します。ダイアップ坐剤の使用ですが一回目は37,5℃前後を目安に投与し、その後38℃以上の発熱が続く場合は8時間後に2回目の挿入をします。次にナウゼリン坐剤ですが投与間隔を最低4時間以上空け、使用は1日2~3回までです。

次に複数の坐薬が処方された場合の服薬指導についてです。例えばアンヒバ坐剤とダイアップ坐剤の場合はダイアップ坐剤を先に使い、30分以上空けてアンヒバ坐剤を使うように指導します。これはアンヒバ坐剤の基剤がダイアップ坐剤の吸収を妨げるためです。

ではナウゼリン坐剤とアンヒバ坐剤の場合はどうでしょう? この場合はまずナウゼリン坐剤を使用し、30分以上空けてアンヒバ坐剤を使用するようにします。この場合も、アンヒバ坐剤の基剤がナウゼリン坐剤の効果を減弱させる可能性があるからです。このように各坐剤に使われている基剤の性質を知り、使用順序を的確に指導できるようになりましょう。

薬局の待合室ではぐったりしているわが子の横で精神的にピリピリされている親御さんをよく見かけます。薬局では服薬指導を通してそんな保護者の方に安心感を与えられるように努めましょう。「ここ(薬局)に来て薬剤師さんと話したら、気持ちが落ち着いてきた。」と言ってもらえるような服薬指導ができたら満点ですね。

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