薬剤師

服薬コンプライアンスの確保(大人編1)

本記事は院内薬局や調剤薬局で長くキャリアを積まれた薬剤師の方による寄稿です。

大人の患者さんの服薬コンプライアンスの確保のための一つ目のキーワードは「その人にあった処方設計の提案」ではないでしょうか。

例えば、日によって夕食を取ったり取らなかったりする患者さんに1日2回朝、夕食後の薬が処方され、夕食後の薬を飲み忘れることがしばしばといった場合には、疑義照会やトレーシングレポートで1日1回の服用で済む徐放性製剤への変更を提案することができるでしょう。

または、毎食後の薬は忘れず服用できているが、毎食間の薬を忘れてしまう患者さんには、食後の服用でも可能な薬の場合は毎食後に用法変更を提案できるでしょう。このように個々のライフスタイルにあった服用方法を提案できればコンプライアンスの低下を防ぐのに役立つでしょう。

次に、副作用によりコンプライアンスが妨げられている場合があります。例えば、ニフェジピンの副作用により夜間頻尿になり眠れないといったケースです。この場合も他の降圧剤への変更を考慮しないといけないでしょう。また粉薬が苦手な方には他の剤形が提案できますし、高齢者などでヒートシールから薬をうまく取り出せない場合はワンドーズ・パッケージ(一包化)をおすすめすることができるでしょう。

次に二つ目のキーワードは「薬の正しい理解」です。中には服用方法の知識不足によりコンプライアンスが低下している例があります。具体的な例を挙げると、脂っこい食事の時のみメバロチンを服用し、その他の日は服用しない患者さんなどです。この場合はもちろん、食事の内容にかかわらずメバロチンを服用するようにお話しし、理解していただかなければなりません。

そして、三つ目のキーワードは「薬学的知識を伴ったフォロー」です。「服薬指導のありかた」の回で取り上げたメディアの副作用報道を見て不安になって服薬をやめてしまわれた患者さんの例のように、情報が溢れる昨今、我々薬剤師も情報収集のアンテナを張り巡らせ、患者さんの不安に先回りしてフォローできるようにしておかなければなりません。とかくたくさん残薬が残っている患者さんは何かしら問題を抱えておられる場合が多く、要チェックです。

四つ目のキーワードについては次回、取り上げることにしましょう。みなさんも患者さんの服薬コンプライアンスの確保に必要なものは何か、ぜひ考えてみてください。

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