薬剤師

iPS細胞を用いた開発で、希少難病治療薬に希望

一部メディアの報道によると、様々な細胞に分化することができる万能細胞であるiPS細胞を骨に変化させることに成功したそうです。

iPS細胞は人工多能性細胞の英語の頭文字を取ったもので、体細胞へ数種類の遺伝子を導入することで、非常に多くの細胞に分化させることができる分化万能性と、細胞分裂の過程を経て増殖しても、その性質を維持できる自己複製能を持った細胞のことです。近年、この細胞を活かした完全な臓器移植といった話題がニュースを賑わせています。

今回の研究の背景には進行性骨化性線維異形成症という病があったようです。これは、傷ついた筋肉や腱が、再生するときにものすごい痛みを伴いながら骨になってしまう病で、遺伝子の異常で起こると考えられています。現在は痛みを緩和するといった治療しかなく、その患者数の少なさから、なかなか治療薬開発が進んでいませんでした。

ニュースによると、この病に悩む少年が皮膚片を京大の研究グループに提供したことをきっかけに研究がスタートし、ついにiPS細胞を骨へ変化させることに成功したというわけです。

これにより、安定的に患者の骨と同等の素材を手に入れることができるようになり、治療の糸口となる実験を行えるようになります。希少な難病であるがゆえの患者サンプル数の少なさという問題を、iPS細胞が救ったというわけですね。

iPS細胞はその性質から未だに物議をかもしている領域ではありますが、こうした治療薬開発の現場では、患者負担の軽減やコスト削減といった意味で歓迎されるものではないでしょうか。今後は少しずつですが確実にiPS細胞を活用した創薬がトレンドになっていきそうです。

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