薬剤師

救急医療156病院に精神科薬大量服薬で搬送、問われる処方

一部メディアの報道によると、精神科の薬を一度に大量に服薬した患者の搬送を受けた救急医療機関が、2012年は全国で少なくとも156病院に上り、うち約3割にあたる46病院は年間50件以上搬送されていることが、メディアが独自に行った調査でわかりました。

これは、昨年11月、全国の救命救急センターと日本救急医学会の救急科専門医指定施設の計498病院にアンケートを送り、164病院から回答を得た(回収率33%)もので、大量服薬患者を年間100件以上受けている病院も10病院あり、最も多い病院では約500件と回答しています。

主としてうつ状態を軽減させるために使われる抗うつ薬は、大きく分類すると三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SSRI、SNRI、MAO阻害薬、その他となり、それぞれの群に属する薬物は、共通した作用・副作用特性を持っています。

大量服薬で死亡例のある三環系抗うつ薬は、副作用も強いけれども作用も強いとされている薬です。一方、四環系抗うつ薬は、副作用が比較的少ないとされる穏やかな薬ですが、三環系抗うつ薬のきかない人に有効なことがあります。ただ、副作用が少ないとはいえ、三環系抗うつ薬と同様に慎重な服薬が求められます。

副作用として、ドパミン抑制の結果、パーキンソン病様の症状(主に筋肉のバランスにおける協調運動の障害)を呈する錐体外路症状による運動不能症や、食事の時にお箸を上手に使えない・字を書こうとしてもペンが震えて書きづらくなる振戦と呼ばれる症状、また、筋肉のひきつれ、牛や馬のような口の動きが出現する口部・四肢体幹の不随意運動などがあります。

また、アセチルコリンが抑制されて引き起こされる症状で、消化管の活動や分泌活動の低下等が現れる抗コリン作用による口の渇き、便秘・排尿障害、その他にも眠気、性ホルモン異常、血圧が下がる人や、逆に上がる人もいます。

うつ病で処方される三環系抗うつ薬では大量服薬によって1年間で計5人が死亡したほか、52人に不整脈、23人に長時間にわたるけいれんなど、命に関わる症状が見られていますが、救急搬送された患者が大量に服薬したのは、いずれも医療機関でしか処方できない薬であることから、抗うつ薬、睡眠薬などについて医療機関における処方のあり方が問われそうです。

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