薬剤師

小児がん「神経芽腫」の新薬 承認目指して治験開始

一部メディアの報道によると、、再発を繰り返す治療の難しい小児がんの一種「神経芽腫」の再発を抑える国内初の新薬の治験を国立がん研究センターと大阪市立総合医療センターなどのグループが今月から始め、東北大学、九州大学でも2014年夏までに治験を開始する予定です。

この治験では、「抗GD2抗体」と呼ばれる新薬を「神経芽腫」の子どもに投与し、再発を予防できるかや、副作用がないかなどを確かめ、日本の子どもでの投与量、治療法を確定させ、オーファンドラッグ(稀少疾病用医薬品)としての承認を目指しています。

「神経芽腫」は小児の固形腫瘍では、白血病や脳腫瘍に次いで多く、わが国では毎年100~120人前後の新しい患者が診断されている小児の腹部にできる代表的ながんです。1歳以下で発症することが最も多く、大部分は5歳以下で発見されます。 診断時の年齢や病期、遺伝子の型などで予後因子(治りやすさに関連する特徴)が分類され、リスクに応じて治療内容が検討されます。

「神経芽腫」のできやすい部位は、お腹の中でも副腎といわれる腎臓の上に乗っている臓器や、交感神経節と呼ばれる背骨の両側にある神経由来の組織です。副腎も交感神経節も体の背中側にありますが、お腹がわに向かって大きくなるため、お腹の腫瘍として発見されます。また、交感神経節は首から骨盤まで続いているので、お腹の部分だけでなく、頚部、胸部、骨盤からも発生することもあります。

健診で偶然に見つかったり、胸のレントゲン写真を撮った時に偶然発見されることもありますが、半数以上は腫瘍が転移を起こし、転移による症状で発見されます。たとえば、骨への転移による手足の痛みのために歩き方がおかしくなったり、目の奥の骨に転移すれば瞼が腫れたりします。発熱や顔色不良、不機嫌、元気がないなど漠然とした症状が続くこともあります。

「抗GD2抗体」を用いた療法は、抗がん剤や放射線治療を終了した後の再発予防として、2年で20%の再発抑制が確認されています(2010年米国で報告)。欧州では2013年12月に承認申請が、また米国でも本年前半に承認申請が行われる見込みですが、欧米での承認前に日本で治験開始となるのは小児がんでは初めてのことです。

小児がんには通常、大人の抗がん剤をそのまま使うことが多く、新薬の承認を目指した治験が行われるのは国内ではこれが初めてです。国立がん研究センター小児腫瘍科の河本博医師は、「小児がんは患者が少ないため日本では新薬の開発はほとんど行われてこなかった。これをきっかけに小児がんの新薬開発が進んでほしいと期待している」と話しています。

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